能力上位馬抽出理論とは?
中村武志、好夫兄弟が提唱し、六郎田満を中心とするプロジェクトチームがそれを具現化したもの、それが能力上位馬抽出理論である。競走馬の能力を見定める上で最も重要な4つのファクター「実績・血統・調教(追い切り)・相馬(パドック)」を数値化・順位付けすることにより、該当するレースの能力上位馬を導き出すことができるのである。
過去の実績を着順でさかのぼるだけでなく、評価対象レースにおいて、戦ってきたメンバー、タイム、距離適性、馬場状態、コース適性、レース内容などの様々なファクターを分析する。 GI馬といえども、これらが低い場合は評価を下げることとなり、実績のない馬でもこれらのファクターが高ければおのずと評価を上げることとなる。
該当馬の血統背景をコース適性、芝・ダートの適性、天候などに左右される馬場適性、距離適性、レースペース、早熟なのか晩成なのか、などに及ぶ事細かな分析。 血統的見地においてその馬が現段階でどのレベルであるか詳細な結果が現れてくる。この作業を行うことにより、レースに対する潜在能力を推し量ることができる。
最終追い切りの時計だけに注目してしまいがちではあるが、それまで全ての調教過程に注目し、該当する馬の状態を見極める。歩様や、馬体のデキ、フットワーク、気合いの乗り具合いなどを細かく確認。 調教後においても、息の入り具合や、発汗、発熱などの馬体の状態、厩舎に戻ってのカイ食いの状態、精神面なども加味し、総合的に分析を行う。
ここでは大きく「パドック」とくくってしまうが、要は競馬場についてから、レースに至るまでの出走馬の最終確認。 ご存知の通り、輸送で大幅に体重を減らしてしまう馬もいるし、パドックで気の悪さを出す馬も存在する。 競馬に挑むにあたって最も重要なのは当日の状態こそ、競馬予想にとって必要不可欠なファクターである。 それらをどう判断するのかが我々の相馬の見せ所でもある。
馬連22190円の大波乱決着となった2007年の「有馬記念」。
このレースで波乱の要因となったのは、1、2番人気だったメイショウサムソン、ポップロックの沈没と、9番人気の伏兵馬と目されていたマツリダゴッホの激走。
しかし、我々にしてみれば当然の結果だった。その理由は事前より【能力上位馬抽出理論】を用い、このレースを詳細に分析し、上記のグラフ通り出走馬の能力を完全に割り出せていたからなのである。
断然の1番人気に支持されたメイショウサムソンは、3歳クラシック2冠を始め、GI通算4勝と「実績」面では抜けた存在と思われがちだが、我々の見解は全く違った。 この馬はこと冬場においては一度ピークに持っていくと、その後テンションが下がっていき、勝負根性が薄れていくという傾向が見受けられていた。 つまり「冬場の実績値は低い=馬券は買えない」と判断した。 「血統」においてもまれに大物を出すオペラハウス産駒ではあるが決して高い数値ではなく「調教」「パドック」においても高い評点をできる材料はなく8番手止まりだった。
さらにGI優勝こそないが常に安定した成績を残していた前年度の2着馬・2番人気のポップロック。 「実績」面では注目すべき1頭であったが「追い切り」で前走のジャパンカップでの反動が見受けられ、好材料はないに等しかった。 おのずと「パドック」も低評価にとどまり、全体的に評価が伸び悩み最終的に6番手の評価にとどまった。
つまり、1、2番人気に支持されていた馬を【能力上位馬抽出理論】では実際の人気とは大きく異なる低評価を下していたのだ。
逆に「実績」・「血統」面では特筆すべき評価はできなかったものの「追い切り」・「パドック」で高評価を与えられたのが、優勝した単勝9番人気のマツリダゴッホ。 前走の天皇賞(秋)では13着と惨敗。これが人気を下げる要因になっていたことは言うまでもないが、天皇賞での使い減りがなかったことにより、有馬記念前の追い切りでは抜群の追い切りを見せた。 体調も良好であったことから「追い切り」・「パドック」での評価は前述の通り。伏兵馬と目されたこの馬を我々は2番手に評価した。
ダイワスカーレットに関しては、GI級の古馬とは未対戦だったことが懸念されていたが、4つのファクターとも安定した高い数値。 このレースで最も安定した評価をすることができ、【能力上位馬抽出理論】では1番手に評価することができた。
このように、一般的な評価とは違い、出走各馬の能力を的確に判断できる【能力上位馬抽出理論】だからこそ、馬連2万2190円という万馬券決着となったこの有馬記念でも、確実に上位入線馬を抜擢できたのである。
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